今回のテーマは「貯蓄型の医療保険」について。
そもそも医療保険って掛け捨ての他に貯蓄型もありますよね。
ある年齢に達したら保険料が戻ってくる(還付される)なんて、一見めちゃくちゃお得なのでは…?と思いがちですが、
はい!ちょっと待ったぁぁぁ!!
今回は貯蓄型の医療保険が本当にお得なのか?検証していきたいと思います。
もくじ
医療保険は貯蓄型より掛け捨てにすべき?
保険見直しの無料相談に、次のようなご質問をいただきました。
夫の医療保険を掛け捨てではなく貯蓄型のものに変えた方が良いか悩んでいます。もし、働けなくなった時の為に就労不能保険も気になっています。よろしくお願い致します。
(相談者 みぼまし様)
ちなみに、相談者様よりいただいた情報は以下のとおりです。
家族構成 | 夫(32)・妻(32)・子(0) |
---|---|
世帯年収 | 夫420万円・妻126万円 |
居住形態 | 賃貸(来年よりマイホーム) |
現在の 貯蓄額 | 100万円 |
毎月の 生活費 | 家賃 5.6万円 食費や交際費など 7万円 水道 0.5万円 光熱費 2万円 車ローン 1.4万円 保険料 0.72万(共済の医療保険×2人分) |
今、掛け捨ての医療保険に入っているけれど、貯蓄型に乗り換えた方がいいか?というご質問ですが、
貯蓄型はマジでおすすめしません!!!
その理由を詳しく見ていきましょう。
貯蓄型の医療保険をおすすめしない3つの理由
貯蓄型の医療保険をおすすめしない理由は、3つあります。
- 貯蓄目的にしても、効率悪すぎ
- 実は保険料が割高
- 保険を解約しづらい
それでは、1つずつ見ていきましょう!
1. 貯蓄目的なのに、実は効率が悪すぎる問題
実際にご主人の年齢(32歳)で、とある保険をもとに保険料をシミュレーションしてみました。
貯蓄型 | 掛け捨て | |
---|---|---|
保障 内容 | 入院給付金 日額5,000円 手術給付金5万円 先進医療給付あり 60歳で還付給付金あり | 入院給付金 日額5,000円 手術給付金5万円 先進医療給付あり 還付給付金なし |
毎月の保険料 | 3,544円 | 1,430円 |
保険 期間 | 終身 | 終身 |
払込 期間 | 終身 | 終身 |
ちなみに貯蓄型の保険は、60歳時点の還付金が1,155,840円となりました。この条件のもとで、60歳までの保険料(実質的な負担額)を計算してみると…
貯蓄型 | 掛け捨て | |
---|---|---|
60歳までの 払込保険料 | 1,194,144円 | 480,480円 |
60歳での還付金 | 1,155,840円 | 0円 |
実質的な負担 | 38,304円 | 480,480円 |
あれれ??(=゚ω゚)ノ
実質的な保険料という意味では、38,304円で済む貯蓄型の方がお得になるように見えますよね?
ただ、元となる資金(ここでは貯蓄型の保険料で使った119万円)をそろえて考えてみます。掛け捨ての場合、119万円から保険料48万円をのぞいた71万円を手元に残しておくとしましょう。
すると、60歳時点の収支が変わってきます。
貯蓄型 | 掛け捨て | |
---|---|---|
保険料 | -1,194,144円 | -480,480円 |
還付金・ 差額分を貯金 | +1,155,840円 | +713,664円 |
60歳時点の 収支 | -38,304円 | +233,184円 |
おやおや……???
保険料という意味では貯蓄型は38,304円に対して掛け捨ては480,480円と、貯蓄型の方がお得に見えましたよね?
でも、元となる資金をそろえてあげると60歳時点の収支が−38,304円(貯蓄型)と+233,184円(掛け捨て)になります。
これ、すごいカラクリだと思いませんか?笑
2. 貯蓄型の医療保険、実は保険料が割高
貯蓄型の保険って実は割高なんですよ。
もちろん、還付金を受け取るまでの保険料に差が出るのは当たり前ですが(貯蓄も兼ねているので当然貯蓄型の方が保険料が高い)
問題は、還付金を受け取る60歳以降の保険料!
そもそも貯蓄型の保険は還付金を受け取った後も、従来と同じ保険料(3,544円)で継続します。
この頃になるとみんな何かしら健康に不安を感じているので、保険を乗り換えることは難しいですし、保険をやめるよりは続けたい人の方が多いでしょう。すると、どうなると思いますか?
老後の保険料に圧倒的な差が!!!
掛け捨てにしておけば、60歳以降に継続してもずっと1,430円のままです。
いいですか?保険料が安い若い時期に加入したという点は同じなのに、ここまで差がでるなんて正直悲しいですね…( ;∀;)
3. 一度加入してしまうと、保険を解約しづらい
さらにいうと、この貯蓄型の保険。一度加入するとやめづらいのもデメリットの1つ。
だって、貯蓄も兼ねて加入していますからね。還付金をもらえるまで続けないと意味がないって続けてしまうでしょ?
さらに言うと、保険って古いものは時代遅れの使い物にならなくなることもあります。
でも「この保険、保険料が割高だから乗り換えたいな…」と思ったときには、すでに何かしら持病があって、保険の乗り換えすらできない可能性も高いのです。
そうなると、どうでしょうか?結局のところ
ズルズル続けるしかないと思いませんか?
保険はシンプルなものにするべき
仕組みが複雑すぎる保険には入るべきではありません。そもそも、なぜ?貯蓄型の医療保険の仕組みを複雑にしていると思いますか?
それは、なんとなーくお得なように見せようとする保険会社の企業努力だと考えていますw
複雑な保険しか存在しなくて、それに入る必要があるなら入ればいいですが、掛け捨ての保険でも十分に目的は達成できますよね?
しかも、いざという時のお金は「現金」でおいてないと意味がありません。
sonic
そういった意味でいっても、保険で貯蓄するのは避けて「掛け捨てタイプ」にしておくことをおすすめします。
まとめ:医療保険は貯蓄型よりも「掛け捨て」
今回は貯蓄型の医療保険について取り上げてみました。
正直、ひとつもいいところがなかったわけですが(汗)もし保険屋さんでおすすめされたとしても、本当にお得なのか?収支や老後の保険料まで考えて
よーくよーーーく決めてくださいね。